先日、竹部裕二さんにご来店いただき、短い時間でしたがお聞きしたお話を皆さまにお伝えさせて頂きます。
森臥 2023年の圃場について
2023年は名寄も連日30度を超え、気温がとても高く、夏までは例年に比べ順調な生育で糖度色付きも過去イチとも言える状態だったのですが、収穫直前に次々とプチプチと実割れが起き、収穫を断念。
小公子の収量は前年の7割程になったそうです。

しかし、数年前から日本最北の寒さに耐え、結実してきたピノ・ノワールが気温上昇の影響で熟度があがり、品質よく収穫が出来たそう。
なんとか小公子、ピノ、バッカスを合わせて、全体収量は前年度と同じ位に留まったそうです。
夏場の高い気温から秋にかけて夜温が下がらない年になり、品種個性も変わってきたと教えて頂きました‼️

ですが、ピノ・ノワールの適地も徐々に北上しており、北海道内では余市、三笠のピノ・ノワールが高い人気ですが、あと数年で日本最北の名寄が銘醸地になるかもしれませんね。
リリースが楽しみです‼️
【ワイナリーについて】
ワイナリーがあるのは北海道名寄市。約二万人が暮らす、農業盛んな地域。作物では「もち米」が有名で、もち米の町ともいわれ、最近では地元めしの「煮込みジンギスカン」が雑誌やSNSで注目されています。
一番の魅力は世界が認める「雪質」にあります。多くのウィンタースポーツ客が訪れ、オリンピック選手の強化練習場としても有名です!そんな雪深い極寒冷地でワインを造るワイナリーが「森臥」さんです。

【ワイン造りのキッカケ】
作り手の竹部ご夫妻は元々ワインがとてもお好きで、ある日飲んだ、道産ワインの味わいに魅了され、自分でもワイン造りをしたい!と決意されます。
そして、2011年よりワイン用ぶどうの栽培を開始。醸造担当の裕二さんは北大卒の元エンジニア。栽培担当の麻理さんは地元のもち米農家さん。様々な困難を乗り換え2014年に初収穫。
醸造は北海道・岩見沢にある10Rワイナリー ブルースガットラヴ氏の下でイチから学び、5年間に渡る委託醸造期間を経て、2019年に念願かなってワイナリーを設立。
原材料は自社ブドウ100%名寄産葡萄にこだわり、北の地を表現できるワイン作りを行っています。
【厳しい環境でのワイン造り】
日本最北のワイナリーは夏冬の寒暖差は60℃。北海道の中でも寒さが厳しい名寄市で寒さを乗り越える為、降霜時には夜を徹して畑に300個ものキャンドルを灯し、地温、外気温を高める事で、葡萄の木を守っています。
降雪と共に冬の到来も早く、凍害を避ける為、収穫後のすぐに選定、根倒しなども早急に行う必要があります。
【地元風土が与えるワインへの影響】
なんといっても「雪解け水」。 世界的にも最良の雪質は、半年かけて圃場の土に養分を蓄えます。 森臥さんの圃場は南向きに14度ほどの緩やかな傾斜があり、日光を遮ることなく、葡萄を栽培することが出来ています。
現在は2haの圃場にバッカス・小公子をメイン品種としてその他ヨーロッパ品種も試験的に栽培しています。香り豊かで濃い旨味と北地らしい伸びやかな酸味が特徴のワイナリーです。
森臥のワインを試してみる
2021 約束 スパークリング ※お一人様一本まで
8000円(税込)
タイプ スパークリングワイン 品種 シャルドネ100% 葡萄産地 北海道名寄 Alc 11% 醸造所 森臥ワイナリー(北海道・名寄) 特徴 ◆瓶内二次発酵◆グレープフルーツ◆苦みあり◆熟成香◆酸味 日本最北のワイナリー「森臥~Shinga~」さんから、初の本格スパークリングが登場。 4年の熟成を経て、ついに待望のリリースです。 注目すべきは、北の地だからこそ表現できる「強い酸味」。 シャルドネの糖度と酸のバランスを、シャンパーニュ地方を手本に仕込んだ意欲作です。 まだフレッシュな印象ながら、しっかりとした酸と豊かな果実味が際立ちます。 さらに瓶内熟成が進むことで、3年後にはより深みのある味わいへと変化していくポテンシャルも。 ※生産本数が極めて少ないため、お一人様1本限りとさせていただきます。 作り手さんより 〇ぶどうについて 名寄市弥生の畑にて収穫されたシャルドネを使用。 10月初旬に収穫し、すぐにワイナリーにて圧搾しました。 2021年も、ここ数年と同様であったと同時に、干ばつの年でしたが、猛暑の中でも、スパークリングに適した十分な酸を残した葡萄となりました。 〇味わいについて 酸のしっかりとしたタイトでエキサイティングな仕上がりとなっています。 充分に冷やし、静かに栓を抜いてください。 〇醸造について 22年冬に瓶詰後、瓶内二次発酵。 そのまま 36カ月の熟成を経て、25年冬にオり引きをしました。 空気圧搾式プレス機にて全房プレス後、ステンレスタンク・プラスチックタンクで乾燥酵母にて発酵。 ショ糖、酵母の添加にて二次発酵。 〇楽しみ方について ワインの風味を損なわないよう、濾過など行っていない為、瓶の中に澱や酒石が残っています。 味、品質には問題はありませんが、わずかな澱でも気になる場合は澱を舞い上げないようグラスに注いで下さい。 〇今年の環境 全国的には昨年を上回る猛暑となったようです。 その中で、北海道は、夏の暑さこそ、ここ数年来続く猛暑となりましたが、8月中旬以降には、朝晩の気温を中心に下がるようになり、また、9月が好天に恵まれたこともあり、ブドウが熟すにあたっては悪くない年だったように思います。 ただ、私たちの畑では昨年12月2日に積雪が 30 cmほどしか無い状態で、 -20度ほどに冷え込み、多くの樹が凍害を受けました。 そのため、春先に芽吹かない掛も多く、全体の花穂の数も少なくなりました。 収量的には平年の半分ほどとなり、自社醸造開始6年目にして初の凶作となりました。 〇ラベルについて 日本最北のワイナリーは寒冷地の為、夜温がとても低く「霜害」の影響があります。 霜害を防ぐため、一晩中、葡萄畑で灯火を行います。 その唯一無二の風景をワインのエチケットとしてデザインしています。 ラベルデザイン 山本美和 引用:森臥
Bucchus 2024‐バッカス 2024
3300円(税込)
タイプ 白ワイン 品種 バッカス100% 葡萄産地 北海道名寄 Alc 11% 醸造所 森臥ワイナリー(北海道・名寄) 特徴 ◆野生酵母◆無濾過◆グレープフルーツ感◆苦みあり 日本最北のワイナリー「森臥~Shinga~」さんから、華やかな香りと爽やかな酸味が特徴の白ワインをご紹介します! 色はやや緑がかったイエロー。 柑橘やマスカットの華やかな香りが広がり、後味にはほんのりとジャスミンの香りが感じられます。 まだまだフレッシュな印象ですが、しっかりとした酸味と豊かな果実味が特徴です。 また、瓶内で熟成が進むと、1~2年後にはさらに奥行きのある味わいが楽しめるワインです。ぜひ多くの方にお試しいただけると嬉しいです! 作り手さんより 〇ぶどうについて 名寄市弥生の畑にて収穫されたバッカスを使用。 9月末から収穫し、すぐにワイナリーにて圧搾しました。 前年12月頭に積雪わずかなタイミングで-20度に見舞われ、かなりの樹が深刻な凍害を受けました。 そのため、2024年は大幅な減収となりましたが、その分ブドウは濃縮感のあるものに仕上がったように思います。 〇味わいについて 全体としてはグレープフルーツやジンジャーといったすっきりした印象ではありますが、ほのかにパッションフルーツや黄桃などのトロピカルな要素も感じることができます。 〇醸造について 空気圧搾式プレス機にて全房プレス後、ステンレスタンクで野生酵母にて発酵。 〇楽しみ方について ワインの風味を損なわないよう、濾過など行っていない為、瓶の中に澱や酒石が残っています。 味、品質には問題はありませんが、わずかな澱でも気になる場合は澱を舞い上げないようグラスに注いで下さい。 〇2024年は 北海道は、夏の暑さこそ、ここ数年来続く猛暑となりましたが、8月中旬以降には、朝晩の気温を中心に下がるようになり、また、9月が好天に恵まれたこともあり、ブドウが熟すにあたっては悪くない年だったように思います。 ただ、私たちの畑では昨年12月2日に積雪が 30 cmほどしか無い状態で、-20度ほどに冷え込み、多くの樹が凍害を受けました。 そのため、春先に芽吹かない掛も多く、全体の花穂の数も少なくなりました。 収量的には平年の半分ほどとなり、自社醸造開始6年目にして初の凶作となりました。 〇ラベルについて 日本最北のワイナリーは寒冷地の為、夜温がとても低く「霜害」の影響があります。 霜害を防ぐため、一晩中、葡萄畑で灯火を行います。 その唯一無二の風景をワインのエチケットとしてデザインしています。 ラベルデザイン 山本美和 引用:森臥
小公子2023
4400円(税込)
タイプ 赤ワイン 品種 小公子100% 葡萄産地 北海道名寄 Alc 11.5% 醸造所 森臥ワイナリー (北海道・名寄) 特徴 ◆野生酵母◆無濾過◆樽熟成◆旨味◆タンニン 日本最北のワイナリー「森臥~Shinga~」さんから、上品な樽の香りと優しいタンニンが魅力の赤ワインをご紹介します! このワインは深みのあるルビー色で、ほんのりと熟成感が感じられます。 香りには樽由来のナツメグやクローブが漂い、果実の熟した香りも豊かです。 果実味はブラックベリーが中心で、山葡萄系の「小公子」を使用しているため、酸味が上品で味わいがとてもクリアに仕上がっています。 色、香り、味わいの全てにおいて丁寧な造りが感じられる赤ワインです。 さらに瓶内熟成させて、これからの変化も楽しみたい一本です。 ぜひ、ゆったりとご堪能ください! 作り手さんより 〇ぶどうについて 名寄市弥生の畑にて収穫された小公子を使用。 10月の収穫後すぐにワイナリーにて圧搾しました。 〇味わいについて 小公子は故・澤登晴雄氏の手で育種されたヤマブドウ交配種で、一般的な赤ワインより色が非常に濃く、渋みが少なくスパイスやハーブのような香りがあるなどの特徴があります。 カシスなどの黒い果実のほか、八角やニッキといった東洋的な香りが感じられます。 酸もしっかりとしているため、脂っこい料理との相性も良いと思います。 〇醸造について 全量手除梗後、ステンレスタンクにて発酵。 醸造時には酵母を一切添加せず自然酵母にてゆっくりと発酵、瓶詰めまで全く濾過をしておりません。 〇熟成について フレンチオーク樽での約12か月熟成に加え、さらに一年間の瓶熟成をしています。 数年間の瓶内熟成により、さらに全体のバランスが良くなるものと思います。 〇楽しみ方について ワインの風味を損なわないよう、濾過など行っていない為、瓶の中に澱や酒石が残っています。 味、品質には問題はありませんが、わずかな澱でも気になる場合は澱を舞い上げないようグラスに注いで下さい。 〇2023年の環境 2023年は、秋以降も暑が続いた結果、糖度の上り方が鈍く、割れ果も大量発生し畑にて相当量のブドウを廃棄するなど、いつもにない苦労や選択を強いられる年となりました。 プルーンのような味わいの奥に胡椒のようなスパイシーさが感じられます。 暑さの影響か、酸は穏やかで、これまでのヴィンテージよりも飲み頃は早いものと思います。 〇ラベルについて 日本最北のワイナリーは寒冷地の為、夜温がとても低く「霜害」の影響があります。 霜害を防ぐため、一晩中、葡萄畑で灯火を行います。 その唯一無二の風景をワインのエチケットとしてデザインしています。 ラベルデザイン 山本美和 引用:森臥
温暖化で対処も年々変化し、
ワインを通じて環境問題の意識もより深くなっていくと思うお話でした。
是非、日本最北のワインをご堪能下さい。


